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MODERN LIVING SHOP REPORT
SHOWROOM
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表参道・青山・外苑前周辺のエリアの好感度なインテリアのショップやショールームについて、私、モダンリビング編集歴20年以上の編集長の高坂敦信がショップやショールームの見どころを全力でレポート!今回のレポートは2軒。ベルギーの屋外家具ブランド、トリビュの新作に入れ替わった「ニチエス東京」と、新作入荷のニュースが飛び込んできた「スタジオノイ」です。
一雨ごとに寒くなって冬の足音が聞こえつつ、その数日後には夏の日差しに逆戻り……。装いに迷いながら過ごす今日この頃ですが、取材日は秋らしい爽やかな一日で、ローシルクのニットにグッチの80年代のレトロな雰囲気のスカーフを巻いて2軒のショールームに行ってまいりました。
Photo:FUKUKO IIYAMA

No.1

NICHIESU TOKYO

東京・千駄ヶ谷

お目当てはベルギー発、トリビュの新作展示。
圧倒的なラグジュアリー感を堪能する

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ニチエスは日本で初めてアウトドア家具を扱い、世界の名だたるラグジュアリーな屋外ブランドを展開しています。このショールームは世界のアウトドアシーンで何が求められているのか、その傾向を体感できる絶好の場。ショールームは同じビルの1階に隣り合わせて2つあり、今回はそのうち1つのメインスペースを使ってベルギーの屋外家具ブランド、トリビュの新作を展示していました。トリビュの特徴は何といってもシックな色使いと素材感。モダンな建築と自然をとりもってくれる存在です。それ以外にも屋外ならではの解放感やくつろぎを堪能できる家具も。ラグジュアリーなアウトドアワールドを早速レポートします。

浮遊感が最高!
まるで宙に浮くベッド

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ショールーム入り口で出迎えてくれるのがドイツのアウトドアブランド、デドンのスイングレスト。以前取材した住宅のプールの上に設置されているのを思い出し、思わず寝転んでしまいました。今回のレポートが初体験でしたが、想像以上の心地よさ。地についているのと宙に浮いているのとでこうも違うものかと驚きました。素直に感動!これが家にあったらどれだけ日常が豊かになるか。スイングレストを取り入れる前提で設計を考えていいほどの心地良さでした。

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さらに注目したいのが、このクッション。アウトドア仕様になっていて、カバーと中材を含め浸水性が高く、濡れても乾きやすいのが特徴です。この機能自体、今は珍しくないのですが、この織り柄や繊細でナチュラルな色使い、そして肌触りは室内用と何らそん色がありません。「進化しているなぁ」と思わず唸ってしまいました。このクオリティの追及が究極のくつろぎを実現しているのです。

マンションのベランダに最適な
コンパクトな組み合わせ

マンションのベランダがコンパクトでも奥行きが深くなる傾向があり、限られたスペースでも充実したアウトドアライフを求める傾向が高くなっています。それにこたえるのがこのラウンジチェアとやや低めのテーブルの組み合わせ。立ち座りしやすい円形天板+一本脚というのもポイントです。安定感があり、多少の風ならびくともしません。ベルギーのトリビュのアイコニックなデザインのアイテムにもなっているトスカシリーズの新作、トスカローダイニングチェアとTローダイニングテーブルの組み合わせは、マンションのアーバンガーデンにベスト!といえるでしょう。

経年変化を楽しめる
無垢材ならではの触感に注目

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「ロングテーブルは軽井沢の規模の大きな別荘への導入が増えています」とスタッフの福西麻以さん。ショールームに展示されていたのはなんと長さ4m!確かに他のブランドでこの長さは稀です。軽井沢は大型物件が増えているので確かに需要がありそう。そしてこのトリビュのビザビダイニングテーブルは約1m角のパーツを連結しているとの福西さんのコメント。まったく気づきませんでした。これは20年以上、いろいろな屋外家具を見てきた経験からのコメントですが、触感からも感じられる素朴さとモダンさが絶妙にマッチしたバランスのよいデザインだと感じました。

ヌケ感のある背もたれと
安定感のあるフォルムが絶妙

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屋外エリアにも展示スペースがあり、そこで注目したのが、このムードラウンジチェア。ラグジュアリーな邸宅の庭で、ここに座りリラックスしながらくつろぐ光景が目に浮かぶような洗練されたフォルムに惹かれました。アウトドア家具が室内家具のデザインに近づき、本当に遜色なくなっていますが、このチェアはきちんとアウトドアの雰囲気をまといながら現在の建築に寄り添うモダンなデザインに仕上がっています。本当にバランスのよいチェアだと、この屋外空間で見て、座って改めて感じました。

壁際に置きたい
影も美しいデザインに

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ニチエスのショールームはたくさんの屋外仕様の照明に出会えるのも魅力。本当に充実しています。そのなかで特にお気に入りなのがこのルナランプ。軽量で持ち運びしやすく、ガラスのシェードを抱きかかえるように付いているハンドルがきちんとデザインとして機能しています。3段階で調光でき、USBコードで充電も可能。どこで撮影しようかと検討していたところ、壁際でびっくり。影の美しさに取材スタッフも声を上げていました。

アウトドアライフの発想を広げてくれるニチエスのショールーム。室内の家具と同レベルのデザインとクオリティと共に、世界のラグジュアリーな屋外家具ブランドが提案するアウトドアライフに触れることができます。

ニチエス 東京
【お問い合わせ】
東京都渋谷区千駄ヶ谷3-50-11 明星ビルディング1階
TEL 03-5413-3341
営業時間11:00 - 17:00
定休日:祝日、夏季休業、冬季休業
https://www.nichiesu.com/

ショールーム公式サイトを見る
No.2

Studio NOI SHOWROOM

東京・南青山

照明の規制概念を軽く飛び越える
アートピースといえるデザイン

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グローバルに認知されている照明ブランドの斬新なデザインや高い技術を体感できるのがここスタジオノイ。存在感のあるアイテムは、多くの家具ブランドのショールームにも展示され、空間の質を変える役割を担っていることをよく目にしています。照明の力はやはり大きく、インテリアには欠くことのできない存在。10月は新作が続々と入荷することを前々から聞いていたので取材を心待ちにしていました。新作がすべて出揃う前、フライング気味ですが、新作を交えながらレポートします。

“照明が照明を照らす”という
新しい提案を想起させるデザイン

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照明をアートピースの領域にまで高かめたデザイナー、インゴ・マウラー。その名前を冠したブランドの新作がショールームで出迎えてくれました。シグネチャーはアイテム名のとおり、フリーハンドでサインをしたようなデザインがポイントです。スタジオノイの池戸信夫さんが、展示していたフロアランプを移動するとき、偶然シグネチャーを照らすと壁にサインが浮かび上がり・・・。偶然とはいえ、照明を照明が照らすというこんな新しい照明の展示の仕方に出会えたのも、インゴ・マウラーのパワーだと思わざるを得ない一瞬でした。

同じものが2つとない
これぞまさにアートピース

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モデル名を数字で表記するカナダのボッチ。その新作のひとつがこの44 シリーズです。新作が発表されるごとにアートに近づいている感がありますが、このシリーズはその集大成ともいえる圧倒的な個性。ミラノのショールームでのペンダントライトの展示は、インスタレーションの域に達しています。これは手軽に楽しめるテーブルランプバージョン。しかしながら存在感は圧倒的。30㎝にも満たないサイズですが、空間の雰囲気を一変させる力があります。

腰の高さという新たなサイズ。
ボッチの新たな世界観を表現

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ボッチといえばコンパクトな照明をランダムに複数設置する“多灯吊り”を普及させたブランド。シェードのユニークなデザインの表現方法のバリエーションが増えています。このスタンドタイプもそのひとつ。57 シリーズが空中ではなく、支柱に固定されることで、また新たな表情が生まれました。そしてこの高さ。ありそうでなかったこのサイズは個性的なシェードのデザインにもぴったり。3個くらいが空間になじみやすいと思いました。個人的には観葉植物と絡めて置いてみたいです。「同じシリーズでも一つひとつ形が違うところがボッチの最大の特徴です。独自開発の新たな吹きガラス技法を使っています」とスタッフの池戸信夫さん。

まるで植物のよう!?
今までにない製造方法を探求

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個性的なデザインのなかで、ダントツなのがこの76 シリーズ。銅のメッシュを通して生まれた植物のような独特のデザインは何度見ても飽きず、個人的にはいちばんボッチらしいと感じています。吹くのではなく、長い管を使って吸うらしいのですが、説明を聞いてもよく理解できませんでした。安定的な製造が難しく、失敗作も多いそう。それほどまでに複雑な技術が使われていることを聞くと、さらに興味が増しました。

定番のモデルに
新たなパーツが追加

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金箔を使った24 カラット ブルーに壁掛けのパーツが追加されました。写真は中央のブラケットランプの左右にパネルが設置されています。パーツは縦長、横長のいずれも設置できるそう。新作パーツが追加されることで、広い面積を使ったり、ライン上に配したりと、設置方法の可能性が格段に広がると思いました。

シェードの色展開が増え
名作照明がよりフレンドリーに

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オルーチェのミニクーペ2201は、デザイナー、ジョエ・コロンボが1967年に発表した名作、クーペシリーズのひとつ。コロンとしたフォルムのシェードが特徴で、長年、黒と白の展開でした。過去に取材先やインテリアショップで見たのはほとんどが黒。そのイメージが強かったので、初めてカラーバリエーションを目にしたときは違和感があり、それと同時に新鮮でそしてすぐに気に入ってしまいました。特に両端の色はイタリアらしさもありつつ、レトロ気分な今のインテリアを象徴しているよう。テレワークのデスクライトとして、温かみのあるワークスペースを自宅につくることをおすすめします。

スタジオノイは個性的で洗練されたアイテムを多く展示しているので、デザインに注目してしまいがちですが、このデザイン性の高さや個性はきちんとした技術研究によって生まれることを知った取材でもありました。ショールームは学びの場でもります。

Studio NOI SHOWROOM
【お問い合わせ】
東京都港区南青山 2-18-2 竹中ツインビルB Wing 2F
TEL 03-5843-0260
営業時間11:00 - 18:00
定休日:土・日・祝日
https://www.studio-noi.com/

ショールーム公式サイトを見る
AUTHER-FACE

モダンリビング編集長
高坂敦信

こうさか あつのぶ

1996年婦人画報社(現・ハースト婦人画報社)入社。2001年より『モダンリビング』編集部に在籍。インテリア企画を中心に誌面全体のビジュアル面を監修。個人邸のインテリアスタイリングビジネスにも積極的に携わる。副編集長兼クリエイティブディレクターを経て現職。