画像が表示されない方はこちらをクリックしてください。

MODERN LIVING SHOP REPORT

センスの良い一流のショップを
モダンリビング編集長が全力レポート!

HEADER

関東地方も梅雨明けを迎え、本格的に酷暑に突入!となりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。私は黒ニンニクと梅干を毎朝食べてなんとか頑張っています。さて、このメルマガは表参道・青山・外苑前周辺のエリアの好感度なインテリアのショップやショールームについて、私、モダンリビング編集歴20年以上の編集長、高坂敦信が見どころを全力でレポート!今回は、初レポートになるニチエスも含め、屋外家具を中心にナチュラルな家具まで網羅します。ショップやショールームは家具や小物を購入する場所だけではありません。インテリアを楽しむアイデアがたくさん潜んでいます。それではニチエスからスタート!
Photo:MASANORI KANESHITA

No.1

NICHIESU TOKYO

東京・千駄ヶ谷

SHOWROOM

ラグジュアリーなアウトドアライフを
多彩な家具のバリエーションで提案

ニチエスは1958年に国内で初めて屋外用の家具を販売した老舗中の老舗。その知見を生かし、海外の屋外家具ブランドを多数扱っています。日本の気候に合う品質のものを選んで輸入し、メンテナンスのフォローにもしっかり対応。安心して選ぶことができるのもニチエスならではと言えるでしょう。ニチエスがメインで扱うのは世界のトップブランド。DEDON、GANDIA BLASCO、GLOSTER、TRIBUなどをラインナップし、モダンリビングで紹介する住宅実例でもこれらのブランドが採用されています。これ以外に価格を含めたバリエーションを多数展開。屋外は紫外線や風雨、防汚など、室内にはない配慮しなければならない点が多くあります。家具を置く環境も含め、アウトドアライフを楽しむ最適なコーディネートを提案できるのもニチエスの魅力です。

SHOWROOM

いかにもリラックスできそうなこのチェアはドイツで1990年に創業したDEDON(デドン)のエンブレイス ウイングチェア。ダウンジャケットのようなふかふかのシートに頭まですっぽりと包まれてくつろぐことができます。ロッキングタイプもあり、かなりの回数試しているのですが、やはり座り心地は最高。このシートは取り外せるのでメンテナンスも容易です。もうひとつ魅力が軽量なこと。大ぶりなフォルムですが、女性でも簡単に移動できます。

SHOWROOM

屋外家具であっても室内に使う需要も増えているそう。特に別荘では室内外に屋外用の家具を使うとリゾートの雰囲気を味わうことができます。このダイニングは1960年に創業した西アフリカにルーツを持つGLOSTER(グロスター)のもの。環境への配慮を早くから意識していて、1970年代初期段階からインドネシアでチークの植林に着手し、50年間に渡り植林から加工、製造までの工程を自社で一元管理をすることで、世界中に上質なチーク家具を提供し続けています。写真のようにチークだけでなくモダンなデザインも充実。半屋外のダイニングシーンにも活躍しそうです。

SHOWROOM

庭時間を楽しくしてくれること間違いなしのハンギングチェアKIDAは、日本版のエルデコの元編集長、木田隆子さんの名前から名づけられたもの。写真は天井から吊り下げる仕様ですが、スタンド付きの置き型タイプもラインナップしているので、天井のないオープンスペースにも自由に設置できます。

コンパクトな戸建て住宅のテラスやマンションのベランダなどで屋外のカフェ気分を味わえるテーブルとチェアのセット。スタッフの大森挙斗さんが「軽くて移動しやすいです」とおすすめしてくれたのがモダンなモノトーンのカラーリング。よりナチュラルな気分を演出したいなら、木を一部に使っているタイプがおすすめです。いずれにしても写真のように植物と一緒に置くと、落ち着いたリラックス感のあるコーナーを実現できます。

SHOWROOM

アウトドアシーンとして注目したいのが、リビングとダイニングの機能を兼ね備えたスペース。これを叶えてくれるのがコンパクトなソファと低めのテーブルです。ここで使われているのはベルギーのTRIBU(トリビュ)のもの。T Dining Tableは直径90cmで高さが67cm。リラックスしながら食事をとるのにぴったりなサイズです。ソファとラウンジチェアはエリオ。注目のデザイナー、ヤブ・プッシェルバーグが手掛けてもので、シャープなデザインながらウッドとリネンを組み合わせたナチュラルな雰囲気もあり、さまざまなシーンに合わせされるイチオシアイテムです。食事やお茶を楽しんだあと、ゆっくりとくつろげます。

ニチエスのショールームは二カ所に分かれていて、今回レポートしたのは一方のみ。解放感とくつろぎ、楽しみを同時に味わえるアウトドアライフは家具の力によって、より広がりを見せます。次回はもう一つのショールームを中心に新作をリポートする予定。ぜひ、注目してください。

ニチエス 東京
【お問い合わせ】
東京都渋谷区千駄ヶ谷3-50-11 明星ビルディング1階
TEL 03-5413-3341
営業時間11:00 - 17:00
定休日:祝日、夏季休業、冬季休業
https://www.nichiesu.com/

ショールーム公式サイトを見る
No.2

Minotti AOYAMA

東京・表参道

SHOWROOM

イン&アウトドアの両スペースを
上質な家具でつなげてコーディネート

表参道からなだらかな階段を上がったところに、まるでラグジュアリーな戸建て住宅のように立っているのがミノッティ青山。まず出迎えてくれるのが、ガラス張りのモダンなL字型の建物に囲まれたアウトドアスペースです。ここを通ってエントランスに向かうのですが、ラグジュアリーなリラックスムードに癒されそして引き込まれます。ミノッティの屋外家具は100㎡以上の広い屋外空間を演出する豊富なバリエーションがありますが、今回の展示ではあえて小ぶりなソファとチェアを斜めに配置。円形のダイニングテーブルを組み合わせてゆったりとしたムードをつくっています。

SHOWROOM SHOWROOM

アウトドアリビングを構成するのはBelt "Cord" Outdoor。編み込みのフレームとウッドの脚部の組み合わせはナチュラルな雰囲気がありつつ、ラグジュアリー感とモダンさも兼ね備えています。脚部はアルミ素材も展開していて、よりモダンな建物にも対応。このバリエーションの幅広さがミノッティならではの魅力です。そしてもうひとつ注目したいのがファブリック。ミノッティは張地のバリエーションが豊富ですが、年々屋外のファブリックの表情が豊かになっています。4~5色の糸をざっくりと編み込んだ複雑さ。このナチュラルな張地がモダンでラグジュアリーなデザインを屋外仕様に変える要です。

ダイニングチェアはYoko "Cord" Outdoor Dining。このところ日本と北欧を掛け合わせたようなデザインを“ジャパンディ”と表現していますが、このYokoと名付けられたシリーズもそのひとつです。ウッドのアームのフォルムにこの特徴が見られるので、ぜひ注目して触ってみてください。円形テーブルはBellagio Dining "Outdoor"。脚部が中央に1本あるタイプなので立ち座りもがしやすく、椅子を自由に置くこともできます。

SHOWROOM

このサイドテーブルは初期のころからインドア用のアイテムとして展開していた定番モデルです。数年前にほぼ同じデザインと素材で屋外バージョンが発表されました。そしてこのCesar Outdoorがそのアップデートバージョン。表面に漆喰をラフに施したようなテクスチャーがあり、木陰に置くとよりナチュラルな印象に。インドアリビングに屋内仕様の同モデルを置くことでさりげなく内外をつなげることもでき、トータルでコーディネートを楽しめます。

SHOWROOM

ミノッティには表参道に3店舗を展開しています。ここは完全予約制のミノッティコートの屋外コーナー。ここでもアウトドアリビングを演出。壁を背景にしたドライエリアにラグジュアリーな世界が広がっています。このコーナーは比較的短時間でアイテムが入れ替わるので、事前に予約して展示アイテムを確認してください。

住まいのインテリアと言えばメインスペースのLDKを重視しがちですが、現在の設計プランでは外部スペースとの一体感がより求められています。LDK+G(ガーデン)として考えるべき。ミノッティのアウトドアコレクションはデザインだけでなく、ラグジュアリー感も統一でることも大きな魅力です。ミノッティ青山は内部からアウトドアコーナーを大開口を介してインドアの家具越しに見るプラン。圧倒的なLDK+Gの世界観をぜひここで体験してください。

Minotti AOYAMA
【お問い合わせ】
東京都港区南青山4-21-26
TEL 03-6434-0142
営業時間11:00 - 19:00
定休日なし
https://minotti.jp/

ショールーム公式サイトを見る
No.3

MASTERWALL AOYAMA

SHOWROOM

「木を読む」デザインのチェアでつくる
モダンナチュラルなダイニング

マスターウォールを展開するアカセ木工は、岡山県に赤瀬木工製作所として1961年に創業。その後、箪笥などの婚礼家具を中心に製作をし、2006年にMASTERWALLをスタートしました。2011年、初のショールームとしてオープンしたのがマスターウォール青山です。ウォルナットに特化したアイテムは多岐にわたり、デザイナーとコラボレートしたアイテムも多数展開。ウォルナットの中でも品質の高いブラックウォルナットを使用しています。さらに全米広葉樹製材協会が認めた高いランクのグレードのみ。アイテムから醸し出される上質さの理由はここにあります。今回のレポートでは特に木工技術やデザインセンスが際立つダイニングチェアに注目。副店長の繁 太夢郎さんに説明いただきました。

SHOWROOM

スマートなスーツ姿の方が、副店長の繁さん。まず以前から気に入っているチェアを早速試してみました。YU UC4 DINING CHAIRはマスターウォールでも人気ランキング5位以内の常連アイテムなのだそう。お気に入りポイント(他のお客さんもそうだと思いますが)がこのレザーの背もたれです。よく「経年変化で味わいを増す」という表現をしますが、それを短時間で実感できます。日々椅子に立ち座りする度に手に触れ、座っているときに身をあずけると背中の丸みに合わせて革がフィット。使うごとに愛着がわく日々の暮らしのなかで育て自分のものにしていく一脚です。

SHOWROOM

繁さんは女性や子供でも扱いやすい軽さについても説明してくれました。繊細なフレームは見た目にも軽やかです。木製フレームで強度を保ちながら、異素材を組み合わせつつこの繊細さを表現できるは木をよく知るマスターウォールならではと言えるでしょう。「シートはマジックテープで簡単に着脱できるので、汚れたり傷んだりした場合も自宅で簡単に交換できます」と繁さん。背もたれ背面のビスについて尋ねると「ダイニングチェアは後ろから見られることが多いのでデザインのアクセントとして見せています」と即答いただきました。

SHOWROOM

次におすすめいただいたのがYU UC9 DINING CHAIR。モールドウレタンを採用したシートが体をホールドしつつ、デザインの特徴にもなっている曲線を描くフォルムが微妙な姿勢の変化に対応してあたりがよく、自然とくつろげます。「マスターウォールのチェアのなかでファブリックの面積が大きいアイテムなので、エレガントなコーディネートがお好みの方にもおすすめです」と繁さん。ファブリックと木のツートーンのデザインですが、上下がデザイン面で分断しないように脚部をエレガントに削り込んでいるバランス感覚が秀逸です。

SHOWROOM

特徴的なのが短い肘掛け。肘掛けがありながら着席していないときのダイニングテーブルに対する納まりのよさ、椅子を大きく引かなくてすむ立ち座りのしやすさ、軽さ、座面の厚み…などなど、使い勝手のよさをコンパクトなデザインに凝縮したデザインと言えます。主張は少なく、でもなくてはならない存在。このように表現したいと思います。

SHOWROOM SHOWROOM SHOWROOM

ホームページにはYU UC3 DINING CHAIRがさまざまな角度で紹介されています。実際にショールームで見て触って、座って、眺めてみてもやはり素晴らしい。「このところグレーフレームが人気です」と繁さん。写真のようにウォルナットのテーブルに合わせてもしっくりなじみつつ、グレーがモダンでナチュラルなダイニングシーンをつくります。これが今の気分と言えるでしょう。

彫刻家イサム・ノグチ関連の書籍で『石を聴く』がありますが、マスターウォールは「木を読む」といった印象を受けました。特に椅子は日々使うもの。デザインと機能が小さな面積の中に凝縮されたアイテムです。マスターウォールの椅子からは、木の特性を知り尽くしたデザインや機能だけでなく、木に対する敬意をも感じられます。

MASTERWALL AOYAMA
【お問い合わせ】
東京都港区南青山2-26-11 青山グラフティ 1F・2F(受付け)
TEL 03-6804-1133
営業時間11:00 - 19:00
定休日:毎月第3水曜日 ※祝日は営業(年末年始・他臨時休業有り)
https://www.masterwal.jp/shop/default.aspx

ショールーム公式サイトを見る
AUTHER-FACE

モダンリビング編集長
高坂敦信

こうさか あつのぶ

1996年婦人画報社(現・ハースト婦人画報社)入社。2001年より『モダンリビング』編集部に在籍。インテリア企画を中心に誌面全体のビジュアル面を監修。個人邸のインテリアスタイリングビジネスにも積極的に携わる。副編集長兼クリエイティブディレクターを経て現職。