2020年にアートディレクターのMads Lehn Kruse氏がデンマークで設立したスカーフブランド「タピ ノワール」。一枚一枚がアートのように美しく、その素材やデザイン、手法には、作り手の並々ならないこだわりが詰まっています。今回は、Mads Lehn Kruse氏が、ブランドやスカーフづくりへの思いを語ります。
ブランドについて
「「タピ ノワール」は、私が愛するスカーフとアンティーク・ファブリックの融合として設立しました。スカーフに使用するプリントはすべて、長年かけて収集し、いまも増え続けているアンティーク・テキスタイルのコレクションから。17世紀のオランダのタペストリーにはじまり、フランスのロココ調ブロケード、19世紀のハンドプリント生地まで。毎シーズン、私たちはアーカイブの中からフィーチャーしたいプリントを慎重に選びます」。
「色、技法、年代、国籍など、さまざまな種類のプリントを取り入れるのが好きです。キュレーションにはとても時間をかけていて、すべてのプリントを選んだ後、縁どりの色を検討し、最終的にどのプリントをどのタイプのスカーフに使用するかを決定。アンティーク生地のアーカイブに基づいているので、このプロセスは他のファッションブランドとはまったく異なります。すべてのプリントにはストーリーがあり、お気に入りのアンティーク生地がスカーフになることに私自身喜びを感じています」。
「シーズンレスで楽しめるのが“Light”シリーズ。柔らかく肌触りのいいコットンとシルク素材のため、気軽に取り入れやすいです。“Small Classical”と同様にインして楽しむのがおすすめ。私のスカーフは他の手法に比べてインクの使用量が非常に少なく、無駄がほとんどないプリント方法を採用しています。このスカーフをプリントする機械は、家にある普通のプリンターの100倍大きい巨大な機械なのです」。
「「タピ ノワール」は、私のスカーフとアンティーク生地への愛から設立しました。時をさかのぼり、美しさを見つけ、それをスカーフに再現することを大切にしています。すべてのスカーフが持つビンテージ感、古い修復跡や色をプリントに取り入れた仕上がりを、ぜひ手に取って感じて欲しいです」。