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トラディショナルスタイルをベースにしたマスキュリンなコレクションにファンが多い「クチュール ド アダム」。今シーズンも、性別の垣根なく愛されるオーセンティックなアイテムを、クラフツマンシップを感じさせるていねいなテーラリングをもって、現代的解釈で再構築したアイテムを展開しています。大好評のサム・ハスキンスのフォトTシャツもラインナップ。同ブランドのデザイナー平野 洋樹さんの解説を参考に、早速チェックして。
「世界的トレンドであるビッグショルダー&オーバーサイズフィットのブレザージャケットは、展示会でもバイヤー陣に人気だった春夏のNEWモデル。80年代を彷彿させる大きな肩とルーズなシルエットが、モードな雰囲気と抜け感を兼ね備えています。コシのある素材感は、エレガントなツヤ感がポイント。気兼ねなく着用できる一着ながら、世界のトップメゾンも頼る日本屈指のファクトリーによる本格的なテーラーメイドです」。
「カーディガン感覚で羽織れる定番人気のオーバーサイズジャケット。身頃にゆとりのあるリラックスしたシルエットですが、肩まわりはコンパクトで華奢な印象に仕上げています。軽く柔らかで清涼感のあるトロピカルウール仕立てで、ツヤのあるシルバー色のメタルボタンがシャープなアクセント。袖の裏地にはスターダスト柄の生地を使用しているため、袖をたくし上げた抜け感のあるスタイリングも楽しめます。時代やシチュエーションを選ばず愛用できる汎用性の高さも人気の秘訣!」
「定番の2プリーツドレスパンツ。立体的なパターン設計を行い、テーラードスタイルの本格的なディテールを取り入れ、パンツ専門工場で細やかなつくり込みで製作しています。きれいなつくりながら、適度なワイドシルエットによりこなれたスタイリングに。少し長めに着用するのがおすすめです。前出のジャケットとあわせればセットアップスタイルも可能。ヒップポケットには、スポーツウェアやマリンウェアでおなじみのシルバー色のシャンクボタンをあしらっています」。
「カジュアルでリラックス感のあるアメリカンスタイルのシングルブレストのサックジャケット。軽く柔らかく、カーディガン感覚で羽織れるようにテーラーメイドで仕立てています。アイビーやプレッピースタイルにおいて、スウェット、ラグビージャージ、チノパンやジーンズ、マウンテンパーカなどがサックジャケットとコーディネートされており、今やスタンダードな着こなしとして認知されています。ヨーロッパスタイルのものと比べて明らかにカジュアルかつイージーなテイストは、アメリカという自由な社会や風土だからこそ生まれたもの。過去最も先進的であった国アメリカにて、自由な発想とクリエイティビティを持つ若きエリートのアイビーリーガー達が着用していたサックジャケットを現代的にアレンジしたアイテムです」。
「かつてミリタリーウェアやマリンウェアをシックにコーディネートするフレンチ・シックと呼ばれるスタイルが存在しました。知的革新犯的なその挑発的表現は“スノビズム”と呼ばれ、いまだ色褪せずに存在し、抜け感のあるフレンチ・スタイルとして今でも人気です。今回、「クチュール ド アダム」では、ワークウェアとしてラギットな印象のミリタリー&マリンパンツをあえてドレープ感あるドレッシーな素材に落とし込み、エレガントで抜け感のある一本に仕立てました。ヒップポケットには、マリンウェアでおなじみの金色のシャンクボタンをプラス。着こなしのワンポイントとして、バックスタイルで映えます」。
「ここ数シーズン人気のノーカラージャケット。襟がなく、胸元が軽やかなジャケットは、センツァ・インテルノというイタリア特有の仕立てにより、カーディガンのように軽く羽織れ、気軽でカジュアルな印象を感じさせます。襟付きのジャケットよりも夏のスタイルに合わせやすく、フェミニンさも漂う一着。生地はトロピカルウールを使用し、現代的なテーラリングによって軽い着心地に仕上げています」。
「前出の“BETTY JACKET”とセットアップになる定番の2プリーツドレスパンツ。立体的なパターン設計を行い、テーラードスタイルの本格的なディテールを取り入れ、パンツ専門工場で細やかなつくり込みで製作しています。きれいなつくりながら、適度なワイドシルエットが抜け感を演出。少し長めに着用するのがおすすめです。ヒップポケットにあしらったゴールド色のシャンクボタンもポイント」。
「前出の“BETTY JACKET”の生地違いのグレンチェックタイプのノーカラージャケットとワイドパンツ。本格的なファブリックを現代的なテーラリングによって軽い着心地に仕上げた、デイリー使いしやすいセットアップです」。
「イタリア製サマーツイード生地のスペンサージャケットにもご注目を。表面が凸凹した質感ある素材で、ナチュラルな色合いにゴールド糸の差し色が加わった華やかな生地で仕立てられています。裏地は春夏に最適な半裏仕様で、軽く柔らかな着心地。立体的なテーラード仕立ては、カーディガンのように気軽に羽織れるのに高級感も漂います。ミリタリーウェアやライダースジャケットでおなじみのデザインが、上品なツイードによってマスキュリンかつフェミニンなアイテムに。往年のケイト・モスのように、気兼ねなくTシャツやデニムとスタイリングして、エフォートレスに着こなしていただきたいですね」。
「シルバー色のラメがスターダストのように散りばめられたイタリア製ファブリックのパラッツォ・パンツ。1930年から1940年代にかけてキャサリン・ヘプバーン、グレタ・ガルボ、マレーネ・ディートリヒといった女優たちが着ていたものが起源とされ、60年代後半から70年代前半にかけて人気を博したアイテムです。女性権利拡大の時代の最中、1960年代には一部の高級レストランが、ズボン姿の女性の入店を断るといったことがありました。女性たちの中には、レストラン側の女性のズボン禁止を回避するために、イブニングドレスとしてパラッツォ・パンツをはく者も現れたようです。まさにウーマン・リブを象徴するアイテムです。ブラック色をベースにシルバーラメがきらめく生地は、華やかでエレガントな雰囲気。ただし、シックな色合いなので汎用性の高さも◎。エラスティックなウエスト部分や生地のドレープは、肩肘張らずにイージーに着用できます。Tシャツなどと合わせてデイリーユースで楽しんで」。
「アメリカン50’sを代表するディテールのボーリングシャツは、私物のビンテージシャツをモディフィケーション。オールドアメリカンなテイストでありながら抜け感を感じさせる、レディースファッションにおいては希少なデザインです。ビンテージではさまざまな刺繍やワッペンなど、スパルタンで強烈なものも多く存在しますが、意匠は極力シンプルでモダンなものに。デイリーに汎用性が高くコーディネートしやすい一着にしています。生地は、ビンテージにあるような本格的な仕上がりのレーヨン・ファブリック。柔らかでなめらかな肌触りに、コシが存在します。背抜きしてシックに着用すると抜け感が際立ち、スノッブさと知的さを醸し出します」。
「セルジュ・ゲンズブールやジェーン・バーキン、ケイト・モスやイブ・サンローランといったファッション史を彩るセレブリティは、サファリやミリタリーを自らのスタイルに盛んに取り入れました。ラギットでマスキュリンなアイテムをコーディネートすることは、ただ単にそのスタイルに抜け感を出すだけではなく、表現の自由やアイデンティティを表現することだったように思います。そうしたスタイルにおいてアイコニックであったサファリ&ミリタリーシャツ。それを現代的なシルエットと生地で製作しました。生地は質感があるコットンをベースにし、落ち感のあるテンセルをミックス。オーバーサイズなシルエットと相まって、こなれ感をまとえます」。