スタイルがある大人の上質日常着。「ヒューベント」のユニセックスアイテムに注目

「普遍の美しさである“Classic”、上質と遊び心をこめた“Inflection”、快適な日常を思い描いた“Function”をコンセプトに、2022年秋冬に誕生した「ヒューベント」。上質な素材と洗練されたシルエットで、自分のスタイルにこだわりを持つ大人に向けた服を発信しています」。

「まずご紹介するのは、ブランドのシグネチャーでもあるPコート。ホワイトカシミヤとタスマニアウールのスーパー原料をブレンドし、高密度接結二重織で織り上げ、縮絨加工のみにて強圧縮されたヘビーメルトンを使用しています。トップネイビーでつくった生地をさらにオーバーダイし、より深いネイビーを表現。素材に撥水加工を施しているため、水や海水に濡れてもはじく仕様です。Pコートを世界的に広めたのはイギリス海軍。イギリス海軍に正式採用され、世界中の海軍にも広がり、各国で使われました。Pコートは海の男の作業着であり、戦う男の防寒着としてタフなイメージですが、このアイテムは本来の動きやすさは残しつつ、シルエットを少しストレートにして肩幅を入れ、現代的にアップグレードしています」。

「こちらは「ジョシュア エリス」の生地を使用したダッフルコート。2枚の平織りの層と、ヘリンボンパイルを形成する横糸のみの層の計3層で構成されたこの複雑な組織は、とても生産効率が悪く、仕上げ時にはパイルをつくるため特別な機械を使用します。この機械こそ、倒産した「ムーアブルック」社から「ジョシュア エリス」が買い取った世界に数台しか存在しない機械。他では表現できない膨らみと深い畝が最大の魅力です。デザインのベースは、イギリス海軍にも採用された歴史ある漁師の作業着。存在感あふれる着丈にゆとりをもたせながら、襟まわりをコンパクトにすることで品のあるバランスに。平面的では無く、自然と前にふれた袖も特徴のひとつ。内側のレッグストラップは船の甲板などで強風によって裾がめくれ上がらないよう考えられたディテールです。オリジナルで染め上げ、トグルと麻ヒモの経年変化とともに楽しんで」。

「世界に流通するウール原料の70％以上を占めるメリノ種。こちらは、その原種といわれるスパニッシュメリノを使用したジャカードセーター。ピレネー山脈の麓で産出されるその羊たちは主に食肉として飼育されるため、羊毛としては希少な品種です。他の品種に比べてクリンプ性が高く、ゴムのようなキックバックが特徴。太番手に梳毛することで柄がはっきりと出るのもポイントです。柄は、スコットランド南部に位置するサンカで200年以上受け継がれる伝統柄をオマージュ。英国を代表する多色使いのフェアアイル柄とは異なり、対称色な濃淡2色を用いたモード感漂う柄です」。

「こちらは、芯糸にシルクを用いた太番手モヘア素材を使用したセーター。ウールに比べてスケールが少ないため、なめらかな風合いが特徴のモヘアに加工を施し、毛足と光沢が混在する、インパクトある表情に仕上げています」。

「このパンツに使用しているキャバリーツイルは、騎兵隊員（キャバリー）の制服として使用されていたことが由来。馬上のハードな戦いに耐えうる強度、耐久性をもった生地です。タテ糸密度が限界本数であるにも関わらず、適度なしなやかさもあり、特殊なハード加工によってタッチ感と反発感を表面に持たせています。裏面はさらっとしたソフトタッチな「ヒューベント」オリジナルファブリック。形は、ビンテージのトラウザーをベースにオリジナルで作成したブランドの基本となる形。サイドに切り替えが無く、横から見てもスパッとしたきれいなシルエットを描くため、誰がはいてもきれいに着用できることをお約束します」。

「サスペンダーは、イギリスのロイヤルエアフォースで採用され、後に陸海軍にも採用されたドレスパンツ用サスペンダーが原案。耐久性のあるレザーパーツを使用し、背あて部分にロゴを型押ししています」。

「ギザコットンの細番手を使用したオリジナルスムース素材でロンTを製作。細番手の単糸を使うことが多いスムース組織ですが、双糸にすることで繊細な表情でいて肉厚に仕上げています。限界まで度目を詰め、さらに後加工でハリ感をアップ。ゆったりとしたサイジングと相まって豊かさも感じられる一枚です」。

「最後にご紹介するのは、スイッチシーズンから活躍するスウェットパーカー。表にアメリカンシーアイランドコットンを、裏のループには太番手を走らせて起毛し、厚みがありながらも糸ムラの少ない、原綿の良さが際立つ美しい表情の裏毛に仕上げました。たっぷりとした身巾と深いカマ底、袖口にはゴロつきがない、接ぎの無い小寸タイプを使用。フード端にあしらった厚く太い麻のテープが海の男を彷彿させる、存在感のあるスウェットです」。