2023.6.5

ネイティブアメリカンのお守りを現代的に。「エリッカ ニコラス ビゲイ」のモダンなインディアンジュエリー

By　「OLD HANNA」バイヤー　伊藤 かおりさん

ジュエリーのおしゃれが一層楽しくなるサマーシーズンにぜひチェックしたいのが、「エリッカ ニコラス ビゲイ」のインディアンジュエリー。オーセンティックなネイティブアメリカンの柄を、より使いやすく現代的にアップデートしたネックレスやバングルなどが話題です。同ブランドを展開する「OLD HANNA」のバイヤー伊藤 かおりさんの解説を参考に、早速チェックして。

「インディアンジュエリーは、1850年頃、メキシコから北上してきたスペイン人がナバホの男性に銀の使い方を教えたのが始まりとされ、そこからジュエリーをつくるようになったといわれています。やがてターコイズが組み合わせられ、今のインディアンジュエリーの形ができたのがおよそ1880年頃。こうしてできたジュエリーをメディスンマンが治療や儀式に使ったり、人々がお守りとして身につけたり、白人経営のトレーディングポストで取り引きされるようになりました。インディアンジュエリーは、ひとつひとつのモチーフに意味があります」。

「「エリッカ ニコラス ビゲイ」はインディアンナバホ族の女性です。伝統的な作り方を今でも大切に守る彼女のインディアンジュエリーは、女性らしい細やかなデザインと愛らしいスタンプワークが特徴。表参道にある小さなビンテージショップ「OLD HANNA」が、彼女のつくるインディアンジュエリーを皆さまに繋げ届けます」。

「ナバホパールのネックレスは、ホーガンビーズといわれる玉からできています（ナバホ族の住む住居に似た形をしていることからホーガン（＝住居）と呼ばれています）。ファッションアイテムとして注目を浴びるナバホパールですが、エネルギーを意味し、歴史のある、インディアンの大切なアイテムなのです」。

「この4mm45cmのネックレスは、最初の1本目にぜひおすすめしたい大きさ＆長さ。シャツやＴシャツの襟元にマッチした長さで、手持ちのネックレスに重ねても、ナバホパールで重ねづけしてもバランスよくきまります。オールハンドメイドならではの玉のつくりによる、ゆらぎある光り方も特徴的。加工無しのシャイニータイプ、加工ありのタイプをミックスしてつけるものもおすすめです。ちなみに加工無しのシャイニータイプを使い込んでも、加工ありのようにはなりません。何十回もかけて玉の上下を加工し、中央部分だけ光らせる加工を施しているからです。私は両方をミックスしてつけています」。

「6mm45㎝のネックレスは、1本でも存在感があり、まるで真珠のネックレスのような見え方でエレガントにもカジュアルにも使えます。ペンダントヘッドを合わせてもバランスが良い大きさ。お手持ちの華奢なゴールドやシルバーのチェーンネックレスと重ねづけするのもおすすめです。私はこのナバホパールを主役に、チェーンネックレスとのスタイリングを楽しんでいます」。

「この9㎜40㎝のタイプは、モードな一本！　首元に添う、存在感際立つ大きめの玉ですが、つけ心地は軽やかです。なぜなら、シルバーをプレート状にし、円形にカットしたものを玉状に溶接して中が空洞になっているから。この軽さもナバホパールネックレスのよいところです。クルーネックや胸元の開いたウェアに1本プラスするだけで、インパクトのあるコーディネートに」。

「そして、インディアンジュエリーに欠かせないのがターコイズ。ターコイズは大昔からインディアンの神秘の石とされ、命にパワーをくれるお守りの石でした。今回はひと粒のターコイズを使ったバングルをご紹介。昔ながらの銀を流し込んでいくインゴットシルバー製法でつくられたハンドメイドです。ターコイズは天然石なので、ひとつひとつ形や大きさが異なります。あしらわれたスタンプにはそれぞれ意味があり、このスタンプは内向きの矢が“防御”を表し、獲物を捕る矢は“生命の源、命を守る”意味があるといわれています。細いバングルのため、シルバー以外のマテリアルとの重ねづけも◎。お守りとしてもファッションとしてもお使いいただけます！」

「こちらもシルバーを流しこみ成型する、昔ながらのインゴットシルバー製法で仕上げたハンドメイドのスタンプバングル。インディアンジュエリーのスタンプには意味があり、身につける者を守ってくれるお守りのようなジュエリーです」。

「2種類のバングルをご紹介。中央に馬のモチーフがあしらわれたアイテムは、馬は旅を、弓矢は防御、そして植物の種はすべての始まりを意味し、幸運の星などのモチーフが散りばめられたデザイン。これからの人生の旅を照らし守ってくれることをイメージさせます。そして、もうひとつはイーグルと羽、クロスする2本の矢のモチーフが配されたバングル。アメリカ西部の象徴的な動物であるイーグル（鷲）は、父なる空の高い場所を飛び、空からのメッセージをもたらす、神聖な化身といわれています。内に向いた矢は“防御”を、クロスした2本の矢は“友情”を意味しています」。

「これらのバングルは、一度シルバーを流し込み成型したものの中央を彫り、そこに真鍮をはめ込むという大変手の込んだつくり。スタンプワークもひとつひとつハンドメイドで仕上げており、「エリッカ ニコラス ビゲイ」ならではのアイテムといえます。格子柄のバングルは、他のインディアンジュエリーモチーフとは異なるクールなデザインに弓矢のモチーフをプラス。外向きの矢は“戦い”の象徴、そして星は“願の成就”を意味します。イーグルと羽モチーフのバングルは、スカラップの型がアクセント」。