2023.3.22

春気分を装うマリンルック。昨年デビューの話題のブランド「テルマ」がNEWオープン

By　「テルマ」デザイナー　中島 輝道さん

「ドリス ヴァン ノッテン」や「イッセイミヤケ」を経て、昨年デビューしたデザイナー中島 輝道氏が手がける「テルマ」が、エル・ショップに登場 。細部までこだわり抜いた圧倒的なデザインと世界観は、唯一無二の存在として注目を集めています。2023年春夏は“海”をテーマに、春に向けて気分が上がる新作が続々登場！　中島さんご本人による説明とともに、お気に入りの一点を見つけて。

「2023春夏コレクションは“海”をテーマにしています。海が世界をつないでいた大航海時代と、水中の景色や生き物をインスピレーション源に、西洋と東洋、自然と人工、マスキュリンとフェミニン、平面と立体といった異なる要素を共存。日本の職人技が光る刺しゅうを施したセーラー・トップスやモッズコート、そして海の中のお花畑をイメージした華やかなプリントのブラウスなど、ほどよいリラックス感が漂うマリンスタイルを表現しています」。

「まずご紹介するのは、レースのようなペイズリー刺しゅうが印象的なセーラー・トップス。クチュールの手作業を彷彿させる立体感と複雑さを施しながらも、ベースの素材にちりめん風コットンを使用することで清涼感が高まり、シワになりにくい日常着として着られるアイテムになりました。そして、同じ刺しゅうをあしらったモッズコートは、西洋のスタイルと日本の伝統技術を融合させた貴重な一点です」。

「毎シーズン、“花”をさまざまな形で解釈し取り入れているプリントシリーズ。今季は、海の中の花畑をイメージしています。魚が集まる珊瑚礁にインスパイアされ、手描きのドットで構成したプリント柄のオーガンジーにシワ加工をプラス。柔らかさを出したシフォン素材に仕上げています。シルエットは、海を気持ち良さそうに漂うクラゲのような、ケープをレイヤードしたシャツスタイル。何通りかのスタイリングが楽しめて、動きに合わせて軽やかに踊るケープ部分が印象的です」。

「このドレスも、海の中の珊瑚礁に集まる魚の情景をイメージしています。動きに合わせて、魚が漂うように色が揺らぐ、着るだけで楽しくなるようなドレスです」。

「こちらは“シャツよりも軽い”をコンセプトにしたスプリングコートです。軽いコットン素材をキルトステッチした後に水洗いをし、表情豊かに仕上げた刺し子風のこの生地。プリントは昨シーズンの押し花の手法を応用し、小花の押し花をスキャナーで取り込む際に、押し花を動かしながら模様が伸びるようにした柄です。シーズンテーマである海の中を覗いた景色を再現しています」。

「漂う魚からインスピレーションを受け、裾にテールがついたロングドレス。インナーで遊ぶなど、さまざまなコーディネートが楽しめます。ちりめんのような綿素材はシワになりにくく、ドライなタッチが清涼感をプラスしてくれます」。

「ブルーのシャツは、取り外し可能なウィングカラーを着脱することでスタイルアレンジが可能。素材は1796年創業の老舗メーカー「トーマス メイソン」の最上級シャツ地を使用しています」。