2023.1.18

さりげなく表情豊かに装う。「ザ・リラクス」で見つける、新しい日常着

By　「ザ・リラクス」デザイナー　倉橋 直実さん

時代のエッセンスを取り入れながら、独自の進化を続ける「ザ・リラクス」。2023年春夏コレクションは“TONE / NO REASON”をテーマに、全体の世界観に有機性を大切にしたコレクションを展開しています。素材使いがユニークなスリーブレスドレスや、マリンパンツのディテールを取り入れたスカートなど、今季も注目の新作が続々！　同ブランドのデザイナー、倉橋 直実さんの解説を参考に、NEWシーズンの主力アイテムをハントして。

「クラシックとモダン、どちらも感じさせる色の組み合わせで、ワントーンの均一さよりも生地の濃淡、組織の違いによる光の反射、微妙な色調の違いなど、豊かな表情が感じられるコレクションに仕上げています。また、「「ザ・リラクス」のアイテムを着用した際に美しいと感じてもらえれば、デザインの理由はいらないのではないか」という思いから、ミリタリーやテーラードといったルーツのある洋服のデザインに固執することなく、感性を大切にしたデザインとそれを支える「ザ・リラクス」の合理的な設計と定番アイテムとの融合も目指したシーズンです」。

「まずご紹介するのは、異素材の組み合わせが端正な雰囲気を醸し出す、新企画のスリーブレスドレス。肩から裾に直線的に広がるAラインで、サイドには深めのスリットをプラスしています。素材は春夏シーズンの「ザ・リラクス」の定番、トリアセとポリエステルの混合生地でシワになりにくく、イージーケアの麻調素材を使用。ネックと肩にはバイカラーのウルトラスエードをアクセントに用いています。ダークネイビー×ブラウンは今季のテーマを象徴するコンビネーションカラー。ルーズシルエットのパンツやサンダルとのコーディネートがおすすめです」。

「こちらは、きちんとした印象のカットソー素材のトップス。全体的にコンパクトシルエットに見えますが、肩がドロップショルダーのためバスト・肩まわりは余裕があり、着用感に窮屈さはありません。肩から裾に向かって直線的に抱きが入ったブランド特有のパターンは、袖に余分な斜めシワが入らず、ゆとりを感じさせながらもすっきりとした印象に。素材は「ザ・リラクス」で春夏定番のオリジナル鹿の子素材。カットソーではかなり細番手のコットン糸を使い、表面の美しさを保ちながら、しっかりとした肉感を叶えています。ハリ感と耐久性を持たせる加工によって、洗濯を繰り返しても型崩れしにくく仕上げています」。

「今後定番化していく、美しいストレートラインが特徴的な新作パンツ。腰まわりにゆとりがあるワンタックながら、ワイドにならない絶妙なストレートシルエットがとてもきれいです。本格的なマーベルト仕様が腰まわりを保形。素材は、さらっとしていながら、ふくらみや立体感がある通年対応の「バラシャ」という組織の梳毛生地を使用しています。定番ウールギャバと同様の含浸加工を施しているため、立体感を維持し、経年的な摩耗にも強いです。構築的な素材とシルエットであるからこそオンでもオフでも着用できる、「ザ・リラクス」の新定番スラックスです」。

「本格的なテーラード仕様のこのアイテムは、デザインはジャケット、サイズ感はコートに仕上げています。セットインの少しゆとりのある肩幅で、「ザ・リラクス」らしいダーツの入らないボックスシルエット。ドロップショルダー・ルーズシルエットが日常化したなかで、ベーシックの範囲に収まるセットインのテーラードスタイルとして、時代に沿ったバランスのこのジャケットを企画しました。ワイドラペルやダブルブレストといったトラディショナルな要素と、それに反した低めのラペル設定で少し脱力感のあるバランスにし、テーラードスタイルに現代的で日常に即した一面をプラス。両脇裾の高めベンツはボタンで開閉でき、パンツのポケットにスムーズに手を入れられるようにしています。素材はこちらも含浸加工を施したウールバラシャで、保形性が◎」。

「定番のエプロンドレスを、素材・デザインでアップデート。シルエットはダイナミックなAラインと長めの着丈を踏襲し、異素材のバイカラーの組み合わせがポイントになっています。本体は新素材のポリエステル。高級感のある高密度生地ですが、中空糸を使用することで布の分量がありながらも軽さとシルエットが形成できます。きれいなドレープと嫌味にならない程度の光沢がカジュアルなデザインとバランスを取り、大人の女性に似合う一着に。ガンフラップ部分のウルトラスエードも立体感を演出します」。

「こちらは、オリジナルのライトなスパンブロード素材を使用した新型のノーカラープルオーバーシャツ。天然コットンのようなナチュラルな見た目と質感ですが、ポリエステルでシワ・色落ち・縮みの心配がないイージーケア性が魅力で、持続性のある美しさと実用性のバランスが取れたハイブリッド素材です。袖のボリュームが特徴的なシルエットは、身頃にシェイプの無いストレートライン。Tシャツのようにラフに着られるのに、フォーマルにもカジュアルにも対応するパターン設計です。左肩のファスナー引手には利便性と高級感のあるウォッシャブルレザーを使用」。

「新型のスカートは、春夏らしいマリンパンツのディテールを取り入れ、着脱にストレスのない仕様。ウエストのフラップは、折り返すと立体感がでて伸ばすと体にフィットするため、気分に合わせてスタイルチェンジできます。フロントに配した本水牛ボタンも、奥行きのあるマーブル模様が絶妙な存在感を発揮。素材はエプロンドレスと同じポリエステル。高級感のある高密度な綾組織の生地ですが、中空糸を使用することで軽さとシルエットが形成できるハリを両立しています。シワになりにくいイージーケアの実用性と、上品なドレープと光沢が、さまざまなシーンで大活躍」。