自宅の食器棚に並ぶグラスは、繊細な薄造りのものが中心。すっとした佇まいや、疲れない軽さ、口当たりのよさが好みな一方で、割れやすいため扱いに気を使うのが難点。そんななか、毎日気兼ねなしに高頻度で使っているのが、イッタラの「カルティオ」。1958年にフィンランドで誕生して以来、ロングセラーを続けるザ・定番グラスです。
カラー展開が豊富で、私が選んだ「クリア」「リネン」「ダークグレー」「パイングリーン」といった渋めなカラー（和食器にも合う！）以外にも、明るい日差しが似合いそうな「アクア」や「ウォーターマリン」など、目移りするバリエーション。

「カルティオ」の使い勝手のよさとして挙げられるのが、ほどよい厚みがありつつも決して重くはなく、絶妙なサイズとフォルムですっと手に収まるホールド感のよさ。さらに、すっきりとしたかたちは眺めて美しく、つい手に取って使いたくなる日常使いのスタンダードです。
デザインを手がけたのは、同じくイッタラの「ティーマ」も手掛けたカイ・フランク。華美なテーブルウェアが主流の時代に、装飾を抑えたシンプルで美しく、汎用性の高いデザインを追求することで合理的な生産を可能とし、テーブルウェアの近代化に貢献したことで知られています。いわば、手頃な価格で日常に良いものを取り入れることを可能にしたともいえるカイ・フランクのデザイン。水を入れるだけでもこんなにかっこいい。

朝食ならジュースのほか、ヨーグルトを食べるのにもちょうどいい大きさ。口径が広めで深すぎないから、ドリンク以外にも使いやすい。カラーバリエーションが豊富なので、グラスとプレートの色を合わせたりと、コーディネートも楽しみも広がります。

ディップをつけて食べる野菜やクラッカー、フルーツなどを盛るのにもちょうどいいサイズ感。パイングリーン（手前）とリネン（奥）といったアースカラーは食材が映え、ウッドボードと合わせてもしっくりなじみます。