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エディターが狙う、名作インテリア・ウィッシュリスト【チェア編】

2025.01.29

アアルトの名作からおしゃれブランドの新名作まで、エディターの最新ウィッシュリストとは?
日頃からインテリアイテムを探して止まない『エル・デコ』エディターが、いま欲しい名作チェアを精選して紹介。一生モノとも言えるデザインについて、コメントと共に紹介します。

1 「アルテック」の “スツール60 ワイルドバーチ”

フィンランドの巨匠、アルヴァ・アアルトが1933年にデザインして以来、世界中の人々に愛される『アルテック』の名作“スツール 60”。当時、家具製作において、直線的な構造が一般的でしたが、アアルトは曲げ木技術を駆使し、脚をL字型に湾曲させた斬新なデザインを実現しました。その“スツール 60”のデザインはそのままに、バーチ材の自然な風合いを生かしたのが、自然環境や素材の持つ可能性を探求するプロジェクトで国際的な評価を得ている気鋭デザインデュオのフォルマファンタズマです。木材の節や昆虫による形跡がさまざまな表情となり、木をより身近に感じ、より愛着のある“マイチェア”となるはずです。
強度と美しさを兼ね備えた形状に加え、スタッキング可能で空間効率も優れている部分も長い間人々に受け入れられる所以だと思っています。

2 「ヴィトラ」の“スタンダード ナチュラルオーク”

今なお、多くのコレクターやデザインファンから支持される、フランスの建築家・デザイナーのジャン・プルーヴェ。彼がデザインした家具のなかで有名なものの一つが1934年にデザインされた“スタンダード”です。プルーヴェは、工業技術を家具製作に取り入れる先駆者として知られ、ナンシーのモンボワ大学都市の学生寮用にデザインした“スタンダード”は、太い後脚と細い前脚で座った時のバランスを考慮しつつ、視覚的にも美しいバランスのデザインをつくりあげました。
プルーヴェファミリーとの協業の下、2002年よりプルーヴェの代表的な家具の復刻を手掛ける『ヴィトラ』は、オリジナルデザインを忠実に再現しながら、現代の技術や素材を生かしてアップデート。当時よりさまざまな仕様やカラーのラインナップがありましたが、それを踏襲しているのもポイントで、どんな雰囲気のインテリアにも合わせやすく、自分だけの名作として、育てていく楽しみが味わえると思います。

3 「ダネーゼ」の“スツール IL GIOCO DELLO SGABELLO 60”

玩具から絵本、日用品や家具までを手掛け、人々の幸せのためのモノづくりにデザイン人生を捧げたイタリアデザイン界の巨匠エンツォ・マーリ。彼が手掛けた名作玩具“おはなしづくりゲーム”は一度は見たことがある方も多いはず。動物や月、木々などのイラストが描かれ、上下に切り込みが入ったカードを組み合わせてオリジナルのストーリーを作るカードゲームなのですが、このゲームから着想を得てデザインされたのが『ダネーゼ』の“IL GIOCO DELLO SGABELLO”です。3枚の板を組み合わせるだけのシンプルな構造ですが、その簡素な形状ゆえに、使い方に自由な発想が生まれます。

構造的な美しさを備え、スツール、サイドテーブルなどさまざまな使い方ができる使い勝手抜群の名作です。

4 「アンドトラディション」の“インビトゥイーン チェア SK1”

2010年に設立されたデンマーク発の『アンドトラディション』。アルネ・ヤコブセンやヴェルナー・パントンなどの作品の復刻のほか、ルカ・ニケットやハイメ・アジョンなど現代デザイナーの新作も展開しており、デンマークで勢いのあるデザインイベントでの展示でも常に多くの人が集まる人気ブランドです。このブランド良さは、今っぽいだけでなく、北欧デザインの哲学を反映した高いクラフトマンシップも備えているところです。2013年に発表された、“インビトゥイーン チェア SK1”も同様で、クラシックさとモダンさを備えた絶妙なデザインに惹きつけられます。

“インビトゥイーン チェア SK1”をデザインしたサミ・カリオはフィンランド生まれ、スウェーデン育ちで、圧縮成形や木工旋盤などの伝統的な木工職人としての技術を磨いたデザイナーです。3枚の木製パネルにあえて隙間を作りつなぎ合わせた背もたれ、座りやすさを考慮し優しいカーブを施した座面、椅子上部とバランスのとれた脚部など、ディテールの美しさも見逃せません。

5 「フラマ」の“トリアンゴロ チェア”

家具やインテリアデザインからボディ&ハンドウォッシュ、フレグランスまでを手掛けるコペンハーゲンのライフスタイルブランド『フラマ』。昨年行われたデザインイベント『3daysofdesign』では、フェイ・トゥーグッドとのコラボレーションも話題になり、夏には初のワインバーをオープンするなど、センスの良いライフスタイルを体現する存在となりました。その『フラマ』の“トリアンゴロ チェア”は、これからの名作ともいえるアイコニックなチェア。元々は、シンプルさと力強いビジュアルインパクトが融合したデザインが特徴のデンマーク出身のペル・ホランド・バストルップが1989年にデザインしたもので、その豊かな表現力とインダストリアルな美しさを備えたチェアが『フラマ』の理念と重なりリリースにつながりました。

“大の椅子好き”としても知られる『フラマ』の創業者ニルス。ステンレススチールの仕上げのむらで手仕事を垣間見る三角の座面、美しいカーブを描く背もたれ、すっきりとした3本の脚など、一つ一つのデザインエレメントが引き立った、置いておくだけでも絵になる一脚です。

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