ブランドネームの由来は、イソップ寓話のひとつ「ガチョウと金の卵(原題:The gooseand the golden egg)」から。グッドラックを意味するものとして名付けられた。さらにデザイナーが考える、このブランドの“特別感”を表すためにDELUXEという言葉を加えた。
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ブランドネームの由来は、イソップ寓話のひとつ「ガチョウと金の卵(原題:The gooseand the golden egg)」から。グッドラックを意味するものとして名付けられた。さらにデザイナーが考える、このブランドの“特別感”を表すためにDELUXEという言葉を加えた。
「自分たちが着るものを作る」を出発点に、ヴィンテージデニムを現代的に再解釈するところからスタート。その職人的なもの作りはブランドの根幹を支えるもので、バッグも職人が一点ずつ手作業で仕上げる。“星”はブランドを象徴するアイコンのひとつ。
鋳物工場だった建物をリノベーションしたオフィスにも、彼ららしさが詰まっている。上は来客用の待合スペース。古びた風合いが気に入ってわざわざ設置した2本の柱がアクセントになった、心地よい空間だ。下は2階にあるミーティングルームで、テーブルやライト、鏡などもすべてふたりが旅先で集めたヴィンテージアイテム。
今でこそ見慣れたヴィンテージ風レザーだが、実はユーズド加工を初めてレザーに応用したのが彼ら。研究熱心ゆえに、それまでデニムにしか使われなかった技術をレザーに施すという発想が生まれたのだろう。なかでも人気のアイテム、バイカーブルゾンは今季もメンズ、レディスともにラインナップされている。
「すべてはヴィンテージデニムを現代的に再解釈することから始まった」。ゴールデン グース デラックス ブランドの原点といえるのがデニムだ。アメリカ旅行の際は必ずヴィンテージマーケットを訪れるという彼らのデザインに漂う、どこかアメリカンなテイストを補完し、ブランドアイデンティティの根幹を成すアイテムなのである。
ヴェネチア出身のフランチェスカ・リナルドとアレッサンドロ・ギャッロが2000年にブランド設立。伝統的なもの作りに敬意を払いつつも、モダンなセンスに満ちたコレクションはニュークラシックとも形容される。公私ともにパートナーであり、子供たちとの日常生活もクリエーションの源となっている。
左の写真はこれまでのカタログを一堂に並べたもの。単に商品を紹介するのではなく、凝った作りでブランドの世界観を表現。最新コレクションのカタログ(右)は、冊子にクリアなカバーがついた、レコードジャケットを思わせるデザイン。メンズ、レディス、スニーカーの3冊がロゴ入り包装紙で包まれている。
2007年にラインナップされたスニーカーは、今やブランドの顔。完全ハンドメイドでユーズド風の味わいを出すという、カジュアルな表情とは裏腹にラグジュアリーでオケージョンを選ばないスニーカーは、世界中のファッションラバーの心を掴んだ。以降毎シーズン、モデル、色、素材もバリエーション豊富に発表されている。
2009年、デザイナーのふたりの間に初めての娘が生まれたことを機にスタートした、キッズのスニーカーライン。右はデザイナーと子供たちが実際に愛用しているもの、左はキッズスニーカーのアイコンとして使用されるグラフィック。また、収益の一部は世界中で困難な状況にある子供たちをサポートするために寄付されている。
2011年のアートビエンナーレ、翌年の建築ビエンナーレのオフィシャルスポンサーとなり、展示の一部にも参加するなど、アートや建築は彼らの可能性を広げた存在。また、ヴェネチア出身の建築家、カルロ・スカルパのクリエーションには特に影響を受けているのだとか。
出身地であるヴェネチアにとりわけ思い入れがある彼らは「生産技術の高さ、都市としての希少性や美しさに、ヴェネチアでなくてはならない理由がある」と話す。オフィスを構えるのは、かつて造船で栄えたポルト・マルゲーラというエリア。右の写真はグラフィックも洒落ているシッピング用の段ボール。
ヴィンテージが大好きで熱心に研究しているふたり。ヴィンテージのような風合いは、ブランドの重要な要素。ショップでは、何年も履きこんだスニーカーを、新しいスニーカーを購入できるギフト券に交換するイベントも。
常に彼らのインスピレーションソースとなっているのは旅だ。「広大な大地に美しいシーンを秘めたカリフォルニア、革新と伝統文化がミックスされた東京やニューヨークのエネルギー。この3カ所には頻繁に戻ってしまう」。旅の帰り道は終わりではなく、新しいプロジェクトや新しいアイディアの始まりなのだ。
より幅広くライフスタイルを提案するブランドへの第一歩として、2012年にスタートしたライフスタイルラインがハウス ゴールデン グース デラックス ブランド。ファッションアイテムをはじめ、日本の老舗文具メーカーや、ファーバーカステルなどとのコラボレーションによるステーショナリーも製作。将来的には新たな分野の展開も視野に入れている。
現在、ミラノやパリなど世界に7軒の旗艦店を展開。2014年には東京・南青山に待望の路面店がオープンした。店舗デザインにも彼らの美学は貫かれ、外壁となるガラス面にはブランドアイコンのフラッグやスターモチーフが施されている。今後NY、ロンドンなどにもオープン予定。
Photo:KENTO MORI (model)
Model:SOJOURNER MORRELL/donna
from ELLE JAPON April 2015
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