2019.8.27

私らしく自由に着こなす「カレンテージ」のNEWコレクション

By　「カレンテージ」ディレクター　塚崎 恵理子さん

クラシカルな洋服の成り立ちに少しの新しさを加え、モダンな佇まいに仕上げた「カレンテージ」。素材や縫製、シルエットにこだわったアイテムは、世代を超えて多くの女性に愛されています。そんなエル・ショップでも人気が高い同ブランドより、待望の秋冬コレクションが到着。今回は、ディレクターの塚崎 恵理子さんにコレクションイメージやおすすめアイテムについて語っていただきました。

「私は気持ちの切り替えや次シーズンのイメージソース探しのため、よく旅にでます。その土地にも人がいて、生活があり、風土や歴史の積み重ねで生まれた不変の美しさをもつ風景やモノを今の私自身を通し、その時感じたものをコレクションに落とし込んでいます」。

「今回は、英国を代表するバーバラ・ヘップワースやヘンリー・ムーアの作品集に惹かれイギリスへ。特に印象に残っているのが、ケンブリッジにあるケトルズヤード。今ではギャラリーのような空間ですが、元はテートギャラリーのキュレーターだったジム・イーデとその妻ヘレンが生活していた家です。ひと言で家というには失礼なほどとても丁寧に作りこまれた空間には、多くのアーティストの作品が、小石や貝殻などの自然のオブジェとともに溶け込んでいました。穏やかな光に包まれたその場所は、ふたりがいないのに愛情に溢れているかのよう。そう感じたのは、当時も家を学生や若いアーティストに開放したり、小さなコンサートを開いたりし、サロンのように人が集っていた場所だったから……。そんな豊かな時間の流れ、空間、そこで暮らしていたヘレンに思いを馳せて、2019年秋冬コレクションは芯が強くエレガントで遊び心ある女性をイメージしました」。

「一枚で存在感あるニットが好きで今回は一部を染め分けた絣糸（かすりいと）使用して作りました。この絣糸はイタリアで特殊な技法で作られています。それをニットにし、さらにはカラー糸をボーダー状に入れてガーター編みで奥行をだすなど、試行錯誤してやっとできあがった一枚です。絣の糸が表情豊かに映え、他にはない仕上がりに。私も購入予定です」。

「『カレンテージ』のほとんどのアイテムはオリジナルの生地を使用しています。このドレスには、糸質の美しいウールポプリンに加工を施して適度なハリ感を加えた生地を使用。カラーも他にはないようなアイボリー、アプリコット、セージグリーンで秋のスタイリングをアップデートしてくれます。また、前後自由に、トップスを外してスカートとしてもアレンジ可能。色んな表情を楽しめる、ブランドならではの3WAY仕様のアイテムです」。

「毎シーズン展開しているエッセンシャルアイテムであるロングPコート。Pコートは少し子供っぽいと思われるかもしれませんが、ディテールをなるべく削ぎ落とし、大人にもマッチするよう上品な佇まいのデザインに仕上げました。厳選された糸を使って尾州産地で織り上げた生地は、肌触りが良く見た目にも美しいビーバー仕上げに。定番のネイビーのほかに、今年キーカラーのブラウンカーキ、優しい色合いのベージュモカ、差し色におすすめのレモンイエローと、発色が良い豊富なカラー展開も魅力です。他にも良い色が上がったのですが、迷いに迷いこの4色にしました。カラーによってスタリングをマニッシュにもフェミニンにも変えてくれるので、既にお持ちではないカラーを選んでいただきたいですね」。

「『カレンテージ』と言えばデニムから始まったといっても過言ではないほど、デニムアイテムも毎シーズン製作。不変的な素材をどう「カレンテージ」らしく表現するか、いつも楽しみながら扱っています。プロダクトとしてもファッションとしても調理の仕方でイメージが変わるので、“表現力が一番問われる素材！”と心してデニムアイテムをデザインしています。だからこそ、今まで作ったアイテムもエル・ショップのお客様に多く選んでいただけたのだと感じています。今回は、デニムラップスカートを大人っぽく着こなせる絶妙なミドル丈に。そしてこなれた雰囲気になるブラックデニムをエル・ショップ10周年記念として提案しています」。

「このロングドレスは、オリジナルで作ったチェック生地が特徴の「マルティニーク」別注アイテム。ウールを甘く織り上げてタンブラー乾燥することで、独特の表情を生み出しています。それを前後Vネックのカッティングが潔いロングドレスのデザインに。はっきりとしたチェック柄ではないので取り入れやすく、生地特有のこなれ感も加わり、幼く見えがちな柄を上品な大人の雰囲気に高めています。タートルやシャツの上にレイヤードするだけで、旬度の高い着こなしが完成しますよ」。