今回は国内外にファンをもつ実力派東京ブランド「アキラ ナカ」、「ウジョー」、「チノ」、「ミハラ ヤスヒロ」にフォーカス。気になる新作の特徴と、なかでもバイヤーが注目するポイントをご紹介します。それぞれの個性が光る服たちは、クローゼットにフレッシュな風を吹き込んでくれること間違いなし！
表情豊かなテキスタイルや立体裁断による洗練されたシルエットで知られる「アキラ ナカ」。今季のテーマは“FLOWER BERLIN”。「バウハウスの時代にベルリンを生きた女性たちに着想を得たコレクションで、いつもに増して内面からの“強さ”を意識したラインナップ。芯のある女性の強さをデザインに落とし込んでいます。特に象徴的なのはフェンス＆フラワーのオリジナルプリント。フェンスの奥に咲く花に、束縛のなか女性たちが生きた当時のムードが表現されています。潔い直線的なラインにフェミニンなレースやドレープなどを合わせるバランス感覚もこのブランドならでは。手間ひまをかけて立体で仕上げる美しいシルエットにも注目を」（担当バイヤー／以下同）」
「ヨウジヤマモト」、「ワイズ」で長くパタンナーを務めたデザイナーによる「ウジョー」。パタンナーとしての視点を生かしてつくり上げるシルエット、バランス感に定評がある。昨年「ジョルジョ アルマーニ」の支援によってミラノコレクションデビューを果たすなど、世界進出もめざましい。今季は「ウジョー」の描く女性像＝ニュートラルな視点をもつオープンマインドな女性の、“自分らしさ”を表現。「春夏らしい生地を使用した、軽さと抜け感のあるコレクション。シンプルななかに独自のカッティング技術が生かされていて、流れるようなシルエットにこだわりが感じられます。おすすめはレイヤード。透ける素材など、肌見せを生かしたこれからの季節ならではの重ね着を楽しんでください」
東京のストリートをベースに、その時々のインスピレーションをプラスして上質な大人のリアルクローズを提案する「チノ」。今季のテーマは“work”。「テーマの通りワークウェアにインスパイアされたアイテムが揃います。ガチガチのメンズライクなワークウェアではなく、フェミニンな要素を加えた『チノ』流の解釈が秀逸。ワークウェアらしいハリ感のあるコットン生地に加え、トリアセテートなどシャイニーな生地や細番手の繊細な糸をふんだんに取り入れて柔らかさ、繊細さを出しています。シルエットは旬のオーバーサイズが中心。マニッシュな雰囲気のなかに女性らしいしなやかなラインをつくり上げている点も特筆。“work”をクリーンかつフェミニンに表現した注目のコレクション」
2016年秋冬シーズンから「メゾン ミハラヤスヒロ」のベーシックラインとしてリニューアルした「ミハラ ヤスヒロ」。「今シーズンもミハラ氏が考える新しい“ベーシック”を感じることができます。バイヤーのいち押しはメンズコレクションでも登場したオーバーサイズのライダースや人気のスカジャン。毎シーズンベストセラーのデニムアイテムも充実しているのでお見逃しなく。なかでもボリューム感のあるワイドパンツやタックロングスカートは今季のマストバイ。トレンドのランジェリーテイストが楽しめるレース使いのアイテムも必見。ミハラ氏らしいレース生地のセレクトで、ストリートな着こなしとも好相性。あぶり出しの技術を使ったユニセックスのレザーグッズシリーズもおすすめです」
