近年、海外でも実力派東京ブランドの評価がぐっと高まりつつあります。それぞれのキャリアに裏打ちされたオリジナリティのあるデザイン、日本の優れた技術を活かした生産背景、そして何より日常で楽しめるリアルクローズであること。今回は、それらの魅力を併せもった東京ブランドのなかでもバイヤーが特にプッシュする4ブランドをご紹介！ 「アキラ ナカ」、「チノ」、「ウジョー」、「ミハラ ヤスヒロ」の新作をたっぷりお届けします。
アントワープ王立芸術アカデミーで学んだアキラ ナカ氏によるブランド。豊かなテキスタイルやクチュールライクなニットを得意とする。「プレフォールのテーマは“DECONSTRUCTION／脱構築主義”。コンセプトを忠実になぞるのではなく、より直感的な発想で取り組んだそう。通常は型紙を使用しないニット製作に型紙を使ったり、ウールの織りでデニム地を表現したりと従来の方法にとらわれない自由な物作りが特徴的。また、カットソーに施した柄はプリントではなく編み柄と刺しゅうによるもの。超高性能インクジェットプリンターで仕上げたオリジナルのフラワープリントと共にコレクションを華やかに彩ります。“デイリーにプレタポルテを纏う”を掲げるだけあって、アキラ ナカのアイテムは合わせ方次第でドレスアップにもカジュアルにも着こなせるのが魅力」（担当バイヤー／以下同）
文化服装学院出身の茅野誉之氏が2014年にスタート。自由な発想から生まれる東京のストリートをベースに、シーズン毎に感じとったモノ・コトを大人のリアルクローズに落とし込んだデザインが特徴。「秋冬は“LINE”をキーワードに、Iラインのシルエットや縦長のパーツ、縦の切り替えなど、“線”を意識したコレクション。シンプル＆マニッシュななかにもひねりを効かせていて、着るだけで“今”の気分が表現できます。モデルカットのマリンスカートも、Aラインながら縦長の要素を取り入れたデザイン。旬のリブニットとの相性も抜群です。そのほか、まさに今季を象徴するパッチワークのロングジレや人気のオーバーサイズシャツも推しのアイテム。シャツはタイトでもボリュームタイプでもどちらのボトムにも合うパターン。胸元を大きくあけて抜け感を出した着こなしがおすすめ」
著名ブランドで長くパタンナーを務めた西崎 暢氏による、テーラリングとカッティングへのこだわりが生きるブランド。「ジョルジオ･アルマーニによる若手支援プロジェクトによってミラノコレクションデビューも果たし、世界的にも注目を集めるウジョー。今季は得意の大胆なカッティングや絶妙な生地の分量感を軸に、テーラリングとスポーツウェアの要素をモダンにミックスしたスタイルを提案。ドロップショルダージャケットやコクーンコートなど、オーバーサイズシルエットを中心にマニッシュなアウターを女性らしくアレンジしています。コレクションでインナーやボトムにもゆったりしたシルエットを合わせていたのも新鮮でした。秋冬はぜひボリュームを“足し算”する着こなしにトライしてみてください。バックパック用のパーツ使いや素材の切り替えなどハイブリッドなデザインも見逃せません」
1999年に三原康裕氏がブランドを設立し、東京、ミラノ、パリ、ロンドンでコレクションを発表。今季からコレクションラインを「メゾン ミハラヤスヒロ」、ベーシックラインを「ミハラ ヤスヒロ」と明確に差別化し、大きな話題に。「ベーシックラインとして初シーズンとなる今季のテーマは"new shape of basic"。シャツやスウェット、デニムを中心としたデイリーでベーシックなコレクションに独自のエッセンスをプラス。ボリューム感のある新たなシルエットに挑戦していますが、主張が強すぎずリアルに着用できる絶妙な分量感にパターンメイキング力が光ります。なかでもおすすめは、ブランドの新定番となったバックフレアのシャツやワンピース。シーズンレスで活躍してくれるはず。どんなスタイルにも取り入れやすく、かつミハラらしさが光る新しいベーシックの提案にご注目を！」
